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2017年5月11日 (木)

人手不足はバブル期なみ

人生はよくマラソンに例えられるが企業もマラソン。潮目が変わるたびに集団から脱落する企業が出てくる。ダーウイン曰く、強い者が勝つわけでも、優れた者が制するわけでもない。適応する者が生き残るのだ。

時代はいつの時代でもシビアです。

http://jp.mobile.reuters.com/article/topNews/idJPKBN17Y0FC

[東京 2日] - 労働市場の改善が続いている。総務省が4月28日に公表した3月の失業率は2.8%と、2月に1994年6月以来の低さとなった水準と変わらなかった。また、厚生労働省が同日公表した有効求人倍率は3月に1.45倍と1990年11月に並ぶ高い水準を記録。企業の人手不足がバブル期並みの深刻さとなっていることが示された。

もっとも、賃金は依然、伸び悩んでいる。厚労省の毎月勤労統計(事業所規模5人以上)によると、2月の現金給与総額は全体で前年比プラス0.4%と、9カ月連続で落ち込みを回避したが、バブルの余韻が残る1991年の同4.0%はもちろん、1994―97年頃の同1%台にも届かない。

また、今春闘は4年連続でベースアップ(ベア)が実現したとはいえ、連合が集計した賃上げ率は4月13日時点で2.02%と2016年の実績(2.00%)をわずかに上回ったにすぎない。

人手不足が深刻な中での賃金の伸び悩みについては、先行き不透明感を背景に固定費の増加を敬遠する企業の慎重な姿勢や、それが将来の人員整理につながりかねないという労働者側の遠慮など、長期にわたる景気の停滞と物価の低迷で人々の考えが縮小均衡に陥っていることなどが指摘されている。

<過小評価される賃上げの実態>

実際、今春闘を振り返ると、円高気味の外国為替相場や新興国経済の減速、インバウンド(訪日外国人)需要の失速などが業績を圧迫するとの懸念が強まったうえ、英国の欧州連合(EU)離脱交渉やトランプ米政権に対する不透明感、欧州でのポピュリズムとナショナリズムの台頭などが重なり、企業のみならず、労働者も先行きに慎重な見方をしていた。

こうした環境を踏まえれば、昨年並みかそれをわずかに上回った今春闘はかなり健闘したと評価することもできる。それどころか、深刻な人手不足は中小企業の労働者や非正規雇用者など、大企業の労働者や正規雇用者に比べて賃金が相対的に抑制されていた人々を中心に着実に成果をもたらしている。

例えば、連合の「2017春季生活闘争 第4回回答集計結果について」では、賃上げ分が明確に分かる組合は1576組合で、昨年同期比217組合増だが、この増分の約85%にあたる184組合が中小組合(300人未満)であることや、その中小組合の引き出した賃上げ分が1373円で、大手組合の1327円を上回っていることなどが報告された。

また、毎月勤労統計でパートタイム労働者の時間当たり給与を見ると、2月は前年比プラス2.4%へと加速。リクルートジョブズの調査研究機関であるジョブズリサーチセンターがまとめた3月のアルバイト・パート募集時平均時給も、三大都市圏(首都圏・東海・関西)は同2.3%と、直近36カ月で最も高い伸びを2カ月連続で記録した。

それでも賃上げの機運が高まっていないようにみえるのは、雇用が依然として非正規を中心に拡大していること、極端な人手不足を受けて、企業が提示する賃金を引き下げて未経験者などの採用に積極的となっていることがあると考えられる。

特に最近は後者が顕著で、上述したジョブズリサーチセンターのまとめによると、人手不足が深刻な営業系や専門職系のアルバイト・パート、IT・技術系、クリエイティブ系の派遣スタッフの募集時平均時給が前年割れとなっている。

賃金に関する統計の中でも最も注目度が高い毎月勤労統計は、調査事業所の現金給与の支払総額を、労働者数で除して1人当たりの現金給与総額を算出している。このため、相対的に賃金が低いと考えられる非正規労働者や未経験者の採用の増加は、1人当たりの現金給与総額の伸びを抑制する。それは必ずしも労働市場の実態を示していると言えないだろう。

上述した春闘も依然として大企業や製造業の正社員などを中心とした交渉・合意であることを踏まえると、中小企業や非正規労働者を中心とした賃上げの実態は現実に比べて過小評価されている可能性が高い。

内閣府公表の2016年の名目雇用者報酬は前年比プラス2.3%と、現行の統計でさかのぼれる1995年以降で最も高い伸び率を記録。このことは実質ベースで比べても当てはまる。毎月勤労統計に基づく1人当たりの現金給与総額は確かに伸び悩みが目立つが、労働者が得た所得の総額はバブル期並みとまでは言えなくても、それに近いペースで伸びている。

嶋津洋樹
MCP シニアストラテジスト

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