« 地方の小学校でプログラミング教育 総務省が支援 | トップページ | 東芝メディカル キャノンが買収 »

2016年3月 9日 (水)

マンション業界が揺れている

もはや大手ゼネコンはマンション建設を見切っていて、長谷川工務店一強という状態らしい。復興需要、オリンピック特需、金融緩和、マイナス金利もあって不動産業界は空前の活況だが、何故かかいつか来た道のようにも。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160307-00087426-diamond-bus_all

 マンションの一部に欠陥が見つかれば、全棟建て替える──。こうした流れが現実味を帯び始めている。
 昨年、全国のマンション住民を不安と不信の渦に陥れた、横浜市のマンションの「基礎杭」問題。注目を浴びた横浜市都筑区「パークシティLaLa横浜」は、全棟の建て替えに向けた協議が進んでいるが、その余波が他の欠陥マンションにも広がっている。
 LaLaの問題発覚の約1年前、2014年に欠陥が発覚した同市西区のマンション「パークスクエア三ツ沢公園」(262戸)。販売主の住友不動産と施工した準大手ゼネコン熊谷組が全5棟の建て替えの検討を始めると明らかにした。
 三ツ沢公園のマンションでも当初、問題になったのは杭で、施工不良により杭が地下の強固な地盤「支持層」に達していないものがあると判明。うち2棟では構造上の危険性があるため、横浜市から是正勧告を受けている。
 とりわけ危険性が高い「B棟南」は全住民が退去する事態となり、この棟は建て替えるが、勧告を受けたもう1棟を含む残り4棟は補修で対応する方針だった。
 ところが、不安に駆られた住民が、マンションの地下で配管などを収める「ピット」と呼ばれるスペース内を確認したところ、コンクリートのひび割れを発見
。昨年11月に住不や、工事を手掛けた熊谷組に調査を依頼した結果、速報値ながらも、コンクリート内の鉄筋の不適切な切断が約20カ所見つかったという。
 理由は「コア抜き」と呼ばれる作業の不備。これは、本来なら配管などを通すためにコンクリートの施工時に開けておく「スリーブ」と呼ばれる穴を、
施工後に開ける作業のことだ。その際、コンクリート内を通る鉄筋を避けて穴を開けるか、鉄筋を切断した後に補強する、もしくは切断したままでも安全性を保てるかどうかを確認する必要があるが、その作業を怠っていたものとみられる。
 横浜市の担当者が三ツ沢公園のマンション調査現場を視察に訪れたのは、2月27日。くしくも、その日の夜は都筑区のホールでLaLaの住民総会が行われ、施主の三井不動産レジデンシャルが表明した全棟建て替えを進める方針を決議したのだった。
 三ツ沢公園ではただでさえ、杭工事のミスで安全上問題があるとされた上、コア抜きでもミスが発覚。しかも横浜市による三ツ沢公園の視察の様子は、
テレビ朝日のニュース番組で放映されるという“ダメ押し”もあり、住不も全棟建て替えの方向にかじを切らざるを得なくなったというわけだ。

 無論、一連の事態に戦々恐々としているのはゼネコン業界だ。ある業界関係者は「補修で間に合う施工ミスでも、全棟建て替えを求められてはたまらない……」と心情を吐露する。
 ましてや不適切なコア抜きは、実は往々にして行われている。ただ、「国内の建築基準が厳しいため、すぐに建物の安全性を脅かすとは考えにくい」(
ある建築の専門家)。だが所有者からすれば、これら施工ミスはとうてい受け入れられるものではない。故に、「これから日本中で不適切なコア抜きの検査が始まり、大騒ぎになるかもしれない」(同)──。
 しかも、建て替え費用はデベロッパーからゼネコンにツケ回されるのが業界の“慣例”だ。とはいえ、それを背負うだけの余力が、準大手ゼネコンにはない。
 LaLaを手掛けた三井住友建設の15年度の純利益見通しは100億円にすぎず、300億円ともいわれる建て替え費用を単独で負担するのはほぼ不可能だ。
 ましてや、1月中旬に結果が出た管理組合によるアンケートで、住民の多くが全棟建て替えを希望していることが分かってからは、
同系列の三井不と三井住友建設の間でも隙間風が吹き始めた。というのも「全棟建て替えは、住民による早期の合意形成はないと踏んだ三井不の勇み足」(不動産業界関係者)との見方があるからだ。
 さらに、杭を施工した旭化成建材の親会社、旭化成は、三井住友建設と施工不良の原因をめぐって泥仕合を繰り広げている。
 一方、三ツ沢公園を手掛けた熊谷組の完成工事高(14年度)は、3620億円とスーパーゼネコンの4分の1以下。
今第3四半期で81億円の偶発損失引当金を計上しているが、これは1棟の建て替えを前提としたものだ。全棟建て替えで数百億円規模の負担が生じれば、今期の純利益見通しが102億円しかない同社にとって、存亡の危機となりかねない。

 施工ミスというゼネコン業界が自らまいた種が、施工したマンションのみならず、自らの“基礎”をも危うくしている。

|

« 地方の小学校でプログラミング教育 総務省が支援 | トップページ | 東芝メディカル キャノンが買収 »

天下の情勢」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。